あなたにも、失敗して落ち込むことがあると思う。
たしかに、自分が重要だと思っていることに失敗すると、ひどく落ち込むことになる。
だが、あとから考えると「そんなに落ち込む必要はなかったな」と思う。「ひどく落ち込んだために、失敗を糧にすることができなかった」と思うこともある。実は、そんなに落ち込む必要はないのだ。
本記事では、失敗しても落ち込む必要がない理由について書いてみたい。
失敗すると…
失敗すると落ち込む
取りかえしのつかない大きな失敗をした…と思うときは、感情がかなり動く。
心底腹が立ったり、絶望したり、とても恥ずかしく思ったり…ということになる。
過去を後悔したり、自分の馬鹿さかげんが嫌になり、自虐的になることもある。たとえば、進学や就職・転職などのキャリア上のイベントで失敗したな…と思うと、失敗を過大評価し、そうなるのだ。
※自分が大きな失敗だと認知すると、その度合いに応じて落ち込みも大きくなる。
そのときは目の前が真っ暗になったりするけれど、あとから振り返れば「そこまで思う必要はなかったな…」となるよ。
落ち込む必要はない
失敗に対する耐性がつく
失敗すれば、失敗に対する耐性がつく、ということがある。
もちろん、羹に懲りてなますを吹く、という状態になるとそうはならない。
だから、自分的に小さい失敗をするとか、失敗を過大評価しない、という工夫が必要になる。その工夫さえしておけば、失敗しても意外と大丈夫だな、失敗するメリットもあるな…ということになる。
失敗に対する耐性がつけば、失敗を必要以上に怖れる…ということはなくなる。
失敗を怖れてしまうと、常に1歩引いた安全な選択をしてしまう。自分の能力に見合うリスクがとれなくなるので、その分、本来であればとれるリターンもとれなくなるんだ。
資本を使って投資した
失敗というのは、自己資本を使って投資した結果、うまくいかなかった…ということだ。
投資なんていうものは、そう上手くいくものではない。数でいえば、負けの方が多くなるものだ。
ユニクロの創業者の本に、『一勝九敗』というものがある。このタイトルどおり、10戦9敗でもかまわない。1勝から得ることができるリターンが大きければ、別に9割負けたってかまわないのだ。
※ただし、失敗から生じる負のリターンは抑える必要がある。撤退は素早く、が必要だ。
ユニクロ(ファーストリテイリング)も、野菜事業から素早く撤退したよ。
失敗の取扱いが上手くなる
失敗を重ねれば、だんだんと失敗の取扱いが上手くなる。
失敗の判断基準の設定もそうだし、失敗したときの感情の取り扱いもそうだ。
素早く撤退するためには、失敗を失敗と認めなければいけない。これが意外にむずかしい。自分が間違っていたことを、自分と他人に知らしめる…ということになるためだ。感情的にむずかしいのだ。
※それ以外にも、それまでに投下した費用の問題がある。
失敗のハンドリングは、仕事でもプライベートでもとても大事だ。このスキルを高めることで、失敗に怯まず失敗を糧にすることができるようになるんだ。
課題が浮き彫りになる
失敗により、自分の課題がはっきりする。
自分の課題はなんとなくわかっているのだが、失敗することでそれがはっきりする。
より実践的な形で理解できる、ということだ。たとえば、コミュ力を高めることが自分の課題だとわかっている。だが、実際に失敗してみないと、どういうケースが本当にだめなのかよくわからない。
失敗することで、こういう相手がだめとか、複数人のコミュニケーションがだめ…とわかる。
失敗は自分の課題を浮き彫りにするツールだよ。
うまくいかない方法を
失敗により、上手く行かない方法を学ぶことができる。
自分の特徴から、「上手くいかない方法」というものが必ずあるのだ。
もちろん、自分の課題を解決することで、上手くいくようにすることができるかもしれない。だが、解決できないもの、そうすることが特に必要ないものについては、放置することになるだろう。
そういう状態では、「上手くいかない方法」を選ばない、ということが大事になるのだ。
ここでは自分の特徴に起因する「上手くいかない方法」について書いたけれど、そうではない「上手くいかない方法」を学ぶこともできるよ。
失敗が自分を成功に寄せる
失敗が自分を成功に寄せる、ということがある。
今述べた「上手くいかない方法」を消せば、上手くいく方法に近づくことができる。
また、失敗から学びを得て再チャレンジする、ということを繰り返せば、自然に成功に寄っていくことになる。さらには、試行錯誤の中から価値を発見する、価値あるものが生まれる、ということもある。
偶然から価値を発見し、別の成功につながる、ということもあるのだ。
価値を獲得するためには、挑戦+失敗の繰り返しが必要になるんだ。もっといえば、失敗そのものを価値とみることもできるよ。
まとめ
本記事では、失敗しても落ち込む必要がない理由について書いてみた。
※失敗して深く落ち込んでもいいことがない、というのが経験から学んだことだ。
その理由は、1)失敗に対する耐性がつく、2) 失敗の取扱いがうまくなる、3)自分の課題が浮き彫りになる、4)うまくいかない方法を学ぶ、5)失敗が自分を成功に寄せる、の5つになる。
成功するためには、「挑戦+失敗」の繰り返しが必要になる。
そのためには、失敗を必要以上に怖がりリスクをとらない…では、話にならない。だから、小さい失敗を積み重ね、失敗に対する耐性をつける、失敗の取り扱いを学ぶ、ということが必要になるのだ。
失敗を利用して、自分の課題を浮き彫りにすればいい。
その課題については、解決できるものであればそうすればいい。解決できないものや、解決するために異常なコストがかかるものは放置だ。そして、その課題が問題になるような選択をしないようにする。
失敗は成功のもとは正しい。上手く失敗を積み重ねることで、成功に寄せていきたい。
※小さな失敗を積み重ねることはいいことで、その上に成功があるのだ。
今回の記事:「失敗して落ち込む必要はない」