相手の態度が変わった…心理と原因は?

相手の自分に対する態度が、突然変わることがある。

自分にしてみれば、「急に相手が変わった」ということになるが、相手にしてみれば、突然ではないのかもしれない。ある程度は(違和感を感じながらも)我慢していたのだが、一線を越えてしまったから態度を変える決断をしたのかもしれない。

その決断は、相手にしてみれば大きな決断になるので、その裏には合理的な理由がある。

今回は、相手の態度が変わったときの、相手の心理と原因について書いてみたい。

話したくない

あなたとは話したくない、という明確なサインを出す人がいる。

こちらから話しかけても反応が悪い。表情が硬く目を合わそうとしない。

コミュニケーションにおいて、目を合わそうとしない、ということは、「無視したい」、「あなたと話したくないので、話しかけるな」ということだ。相手の態度がそのように変わった場合は、残念ながら良好な関係は終わった、ということになる。

もちろん、シャイな性格で目を合わさない、という場合もあるが、そのケースは除く。

コミュニケーションにおいて、「目を全く合わさない」というのは、無礼・失礼な反応だ。シャイで目をあわさない、ということはあるが、以前はそうしなかったということであれば、相手の自分に対する評価が悪くなった、ということだ。



距離を取りたい

態度を冷たくする、ということは、「距離を置きたい」ということだ。

その人と仲良くしたいと思えば、距離を詰めるし、そうでなければ距離を置く。

例外的に「好き避け」というものはある。自分の本心を相手に悟られるのが恥ずかしいため、あえて好きな相手を避けてしまう、という行動だ。または、相手の気を引くためにわざと避ける・素っ気なくする、ということもある。

恋愛がらみの話だが、「好き避け」を除けば、その人とは仲良くしたくない、ということだ。

仏頂面 or 死んだ魚のような目で避けられた場合は、「好き避け」ではないよ。

あなたの評価を下げた

相手は、内心であなたに対する評価を下げたため、距離をとりたい、と思う。

もちろん、そんなことを口にすることはないが、「この人はダメだな」と思うと距離をとる。

この人はどうでもいい、コミュニケーションを取りたくない、もはや絶交してもかまわない、と思えば、前述したように、表情を硬くし、言葉少なく、相手の目を見ない、というネガティブな反応をするようになる。

ではなぜ、相手はあなたに対する評価を下げたのだろうか。理由は複数ある。

話すと不満が募る

その人と話すと、不満が募る…ということがある。

こちらから話しかけても、表情が硬く言葉が少なく、共感もない。

相手から会話をしよう、という前向きな気持ちが伝わってこないと、話しかけて損をした、という気分になる。せっかく話しかけたのに、何なんだろう…という残念な気持ちになる。邪険にされた自分を惨めに感じることもある。

相手の話はスルーして、自分のことばかり話す、自慢が多い、愚痴や誰かの批判、ネガティブなことばかり言う、相手に対するリスペクトがない、という人と話しても、ストレスがたまる。そんな人とはもう話したくないな、と思うのが普通だ。

このようなコミュニケーションをすると、自分の評価はダダ下がりになる。

コミュニケーションにおいては、ある程度でいいが「相手の期待に応える」という努力が必要だ。せっかく自分に働きかけてくれた相手に対し、がっかりさせるようではいけない。そうすれば、自分の評価が下がり不利益を被ることになる。



相手のプライドを傷つけた

相手のプライドを傷つけると、大事に至ることがある。

特に、相手のプライドが高い場合は、絶交にいたることもめずらしくない。

この話は実話だ。ある開発者が設計者に対し、設計のわからない点について質問をしていた。

その話の中で、設計者が細かい質問に対し業を煮やしたのか「それぐらいのことは設計書に書かなくてもわかるでしょ」、「これまであなたは何をしていたのですか」というようなことを言った。

それを聞いた開発者はサッと顔色を変え、質問を打ち切り自席へ戻っていった。

その後、その開発者は設計者に対し厳しい態度を取るようになった。開発者の態度に問題があることは確かだ。同時に、プライドの高い相手に対し、そのプライドを傷つけるようなことを言うと、相手の態度が悪い方に変わることも確かだ。

誰かが悪口を吹き込んだ!

誰かがその人にあなたの悪口を吹き込み、こちらの評価が下がることがある。

人の悪口を耳にすると、「あの人はそういう人だったのか」と思ってしまうことがある。

実際にその人の悪行を確認したわけではなく、悪行の裏付けをとったわけでもないのだが、そう思ってしまうのだ。特に、自分の友人などの近しい人からの伝聞は、無条件で信じてしまうことがある。

自分が悪口を言われる立場になると、自分の評価が下がり相手の態度が変わる。

普段から、悪口を言われないような態度で人と接することが大事だね。

自分に対する認識を変えた

相手が自分に対する認識を変えた場合に、相手の態度が変わる。

これまで述べてきたこと以外でも、嫉妬するようになった、以前は格下だと思っていたが、自分を脅かすライバルとみなすようになった、以前は仲間だと思っていたが、そう思えなくなった、という場合に、相手の態度が悪い方に変わることがある。

恋愛では、相手の欠点が目に付くようになった、ほかに好きな人ができた等あるだろう。

もちろん、良い方に変わる場合もある。

たとえば、「見直す」という場合だ。

その人の良い面を理解するようになり、見る目が変わる、ということがある。

たとえば、わたしは、ある先輩のことを(大変失礼な話だが)何となくさえない人だな…と思っていた。だが、たまたま彼のプレゼンを見る機会があり、その出来がすばらしく驚いたことがある。

わたしは、その秀逸なプレゼンを目の当たりにして、その人に対する態度を変えた。



コミュニケーションの齟齬

以前、会えばあいさつを交わすだけの関係の人がいた。

ある日突然、相手が目をあわさなくなり、あいさつをしなくなった。

これはわたし側から見た見方であり、相手からすれば、わたしが先に無視したので、<失礼>のお返しをしただけだ、ということになるかもしれない。これは単なる「コミュニケーションの齟齬」である。

わたしは、(目が悪い+間が持たないこともあり)ある程度、相手が近づいてきたところで、目線を相手に合わせ、あいさつをする。それまでは目線を合わせないので、相手からすれば「無視された」ということになるかもしれない。

このケースでは、お互いが「無視された」と感じるので、コミュニケーションの失敗だ。

一時的であれば…

相手の態度の変化が<一時的>であれば、相手の問題かもしれない。

以前、仕事で嫌なことがあると深く落ち込み、態度が一変する会社の先輩がいた。

普段は明るくて陽気な先輩だったが、そんなときは、話しかけても目がうつろでほとんど話さない、という塩対応だった。不審に思いまわりの人にどういうことか尋ねると、「彼はトラブルがあると、いつもそうなるんだ」、「そんなときは、そっとしておいた方がいい」ということだった。

このように、相手の問題で、自分に対する相手の態度が変わる、ということもある。

自責か他責か

相手の態度の変化は、誰の責任だろうか。

相手の問題であって、自分の責任ではない、とする意見があるが、一概には言えない。

相手の問題の場合もあるが、自分に責任の発端があるケースもある。また、両者に責任がある場合もあるし、先に述べた「コミュニケーションの齟齬」のように、どちらの責任か微妙なケースもある。

相手の態度が変わったときは、どのケースに該当するのか考えてみたい。

まとめ

今回は、相手の態度が変わったときの、相手の心理と原因について書いた。

簡単に言ってしまえば、相手が自分に対する認識を変えた場合に、相手の態度が変わる。

相手が態度を悪い方に変えた場合、相手に対して怒りが込み上げてきたり、自分に非はなく相手に非がある、としがちだ。「さる者は追わず」とカッコをつけることもある。自分を守ったり、納得するための当然の反応かもしれないが、実は自分の言動が原因かもしれない。

相手が態度を悪い方に変えた場合は、その人に対する自分の言動がどうだったのか…と考えてみたい。

自分勝手な・不適切な言動がなかったか、相手の「弱み」や「やさしさ」に付け込んで、相手を利用していなかったか、自分の利益だけではなく、相手の利益も考えていたか、相手に対する思いやりやリスペクトはあったか、など、よく考えてみたい。

そうすることで、今後、同じ轍を踏まないようにすることができるだろう。