怒りをコントロールする方法5つ

怒りをコントロールしたい、ということがある。

感情的になり怒りすぎてしまった、余計なことまで言ってしまった…というときにそう思う。

怒りは「自分に不当な不利益が生じている…」と感じるときに湧いてくる。その状況はまずい…という警報なのか、状況を変えるための非常手段なのか、過大なストレスを逃がすための手段なのかもしれない。

いずれにしても、感情的になり過激・攻撃的な言動をする、というのはよくない。

本記事では、怒りをコントロールする方法について書いてみたい。


怒りとは

怒りの意味

怒りの意味からみていこう。

典型的な情動の一つで,他者による妨害,傷害,おどしなどの行為によって生じる。相手を攻撃しようとする行動傾向のほかに,特有の顔面表情や自律神経系の各種の反応を伴う。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

怒りは他者の行為などにより生じる。

他人に妨害・干渉されたり、自分の心やからだを傷つけられると、怒りの感情が湧いてくる。

また、社会の不合理に対する怒りとか、自分自身に対する怒りというものもある。

後者は、自分の失敗に対する怒りだったり、能力不足や不甲斐なさに対する怒りだったりする。ブログの記事が上手く書けないときにイラッとするのは、この種の怒りだろう(笑)。

人は怒ると攻撃的になり、特有の表情が表出し、自律神経系の反応が生じる。

怒っている人には、生理的な反応が生じているのでわかりやすいよ。

怒りをコントロールする方法は

排出まで間を取る

アンガーマネジメントでは、6秒やり過ごす、という方法があるようだ。

怒りのスイッチが入ると、最初の6秒でアドレナリンを強く分泌するから…という理由のようだが。

これとは別に、「90秒ルール」というものがある。

人は何かを考え、感情を刺激する。そして、生理的な反応を起こす。この過程で、ノルアドレナリンが血液中に流れ込み、体内をめぐり排出される…という現象が起こっている。その時間は、90秒以内である。

だから、怒りの感情を刺激することを再度考えなければ、90秒<間>をとればOKだ。

※トイレに立ち顔を洗い、腹式の深呼吸でもすれば、生理的な反応はおさまる。

自分の問題では…と

この怒りは、自分の認知の問題ではないか…と考えてみる。

たとえば、こちらがあいさつをしたのに相手に無視されると、腹が立つだろう。

こちらは敬意を払っているのに、相手は敬意を払わない…非常識だろ!ということで腹が立つ。

だがよく考えてみると、自分もそうしたことがあることに気付く。相手のあいさつに気付かなかったり、大事なことで頭が一杯のときに(結果的に)そうしてしまったことがある。たかがあいさつだが、テンパっているときはリソースを割けないことがあるのだ。

そう考えれば、(実際に非常識な相手だとしても)腹の立つ度合いは小さくて済む。

あいさつのことでは、自己肯定できなくてあいさつしないとか、人と関係性を持ちたくなくてあいさつしないとか、いろいろな理由があるよ。だから、こちらのことが嫌いだから、軽く見ているからだ…と決めつけて怒らない方がいいよ。

困った…に置き換える

これは困ったことだ…という認知にする。

他者による妨害、傷害などの行為は、困ったことだ。社会の不合理や自分の能力不足にしてもそうだ。

だから、瞬間的にお湯を沸かすのではなく、「これは困ったことだ…」という認知にする。そうすることで、感情モードから理性モードに変える。理性モードになれば、攻撃的にならないし、怒ったときほど血圧が上がることもない。

困った…とすれば、誰かが助け舟を出してくれる可能性も出てくる。

デメリットを考える

怒ることのデメリットをよく考えた方がいい。

社会に出れば、感情的に怒って上手く行くというケースは、まずないだろう。

海外ドラマ『24』で有名なK.サザーランドは、共演者に「彼との仕事はきつかった。彼は怒りっぽい。みんなに怒っていた。自分自身にも怒っているのかも…と思った」というコメントをされている。

このように、普通の人は怒りっぽい人を敬遠する。

直接怒られなくても、こちらも嫌な気分になるためだ。嫌な気分にされると感情モードになり、自分を嫌な気分にした人を嫌うようになる。嫌な気分を伴うできごとは記憶に長く残るので、嫌いという感情も長く残る。下手すると一生嫌われる…ということになる。

人の口には戸が立てられないので、悪評がどんどん広がる…ということになる。

※血圧が上がるというデメリットもある。50以上上がるケースもあるようだ。

感情的な怒りは、自分の価値を毀損することになるんだ。

人は変えられない

人や状況は、怒りでは変えられない…と考える。

感情をあらわにすることで、自分の地雷や自分に問題があることを相手に知らしめることはできる。

それにより、相手の行動が悪い方に変わることはある。たとえば、極力話をせず距離をとったり、腫れ物に触るような行動になることはある。部下であれば、萎縮して行動しなくなるかもしれない。だが、いい方に変わることはない。

何でお前はそうなんだ、なぜできないのか…と怒ってみても、相手はまず変わらない。怒られたことに対する不満が募るだけだ。怒った人を嫌いになるかもしれない。人は自分で問題を理解&把握し、改善しようという自主的な気持ちがないと変わらないのだ。

※猫が猫であることに腹を立てても仕方がないのだ。

まとめ

本記事では、怒りをコントロールする方法について書いてみた。

怒りのコントロールは、良好な人間関係を築く上で必要なことであり大事なことだ。

その方法だが、1)90秒間を取る、2)自分の認知の問題では…と考える、3)困った…に置き換える、4)怒ることのデメリットを考える、5)怒りで人は変えられない…と考える、の5つになる。

理性が飛び怒ってしまい生理反応が出たときは、90秒<間>を取りたい。

ノルアドレナリンが血液中に流れ込み、体内をめぐっている状態なので、それが排出されるまで待つ。席を立ち頭を冷やせばいい。怒りの感情を刺激することを再度考えなければ、90秒<間>をとれば大丈夫だ。

そうなる前に怒りを止めようと思えば、2~5の方法をとる。

その人のことを考えただけで腹立たしく思う…という人がいても、その人を自分好みに変えることはできない。生まれつきそういう人であり、これからもそういう人である…とすればいい。たとえれば、猫が猫であることに腹を立てても仕方がない、猫には猫の事情がある…と思えばいい。

つい怒りそうになったとき、怒ってしまったとき…双方に対応する術を持っておきたい。

今回の記事:「怒りをコントロールする方法」