スピーチを聞いていない…そんなときどうすればいいのか

せっかくスピーチをしているのに、聞き手が聞いてない…というシチュエーションがある。

話し手としては、むずかしい状況だ。せっかく長い時間かけて準備したのに、無駄になった。聞き手に自分に対する敬意がない…と感じることもあるだろう。ゆえに、腹が立つこともあるだろう。

これでは、自分のためにならない。本記事では、こういう状況の対処について書いてみる。


スピーチを聞いていない

聞いていないことがある

こちらがスピーチをしているのに、多くの人が聞いていないことがある。

結婚式のスピーチでそういう場面を見たことがある。また、自分のスピーチでも経験した。

最初から会話に夢中で聞いていないこともあるし、最初だけ聞いて「このスピーチはおもしろくない」と判断し、自分の興味のある行動(会話・スマホ操作など)に移る、という場合もある。

自分のスピーチで経験したのは前者だ。そのときは静かに聞くという雰囲気ではなかった。

そんな時どうすればいいのか

聞いていないと楽になる

多くの人が聞いていない…と感じると、負担がなくなり気持ちが楽になる。

スピーチには緊張(ときには過度の緊張)がつきものだが、緊張しなくて済むのだ。

スピーチで緊張する人は、聞き手が自分に向ける視線や聞き手に自分が評価される…という恐れから、過度に緊張してしまう。そういう恐れを引き起こす要素がなくなるので、緊張しなくて済むのだ。

誰も聞いていないじゃないか…と憤るよりも、少しでもプラスに考えたい。

無理に聞かせようとしない

無理に自分のスピーチを聞かせようとする必要はない。

聞いてもらえないと、せっかく自分が用意したスピーチを無下にされた…と感じる。

スピーチのために費やした時間と努力が全部無駄になった…と感じる。自分に対するリスペクトがないな、非礼な連中だな…とも感じる。だが、そこで憤ってみても、いい結果になることはない。

何とかしようとしても…

そんなとき、声を張って何とかしようとしても、なかなか上手くいかない。

海外でよくあるように、グラスにナイフなどをぶつけ音を出せば、場の空気が一変して聞くモードになるが、声を張ることでそんな風にはなかなかできない。それよりも、もっといい方法がある。

聞いている人に伝える

聞いている人に伝える、とすればいい。

多くの人が聞いていない…というシチュエーションでも、聞いている人はいる。

先に、結婚式のスピーチでそういう場面を見たことがある、と書いたが、少なくともわたしは聞いていたし、事後、「誰も聞いていなくて酷かったね…」と言う人もいて、その人も聞いていた。

わたしの(ざわざわした中での)スピーチでも、しっかり聞いている人はいた。

ゆっくりと話し出す

場がざわざわしているときは、ゆっくりと淡々と話しだせばいい。

数は少ないが、聞いている人を見つけて、「彼らに伝える」という気持ちで話し出す。

最初は、伝えるべき情報を伝える。定型的な文言を入れ、あいさつなどを淡々とゆっくりとすればいい。そうすると、聞いていなかった人の中から、聞き耳を立てる人がちらほら出てくるだろう。

※よく聞こえないけれど、何か話しているな…ということで、注目する人が出てくる。

間とか沈黙、ゆっくりで、人の注意をひきつけることができるよ。

そこから用意していた内容へ

少しでも場が温まれば、そこから用意していた内容へ移ればいい。

スピーチの内容というのは、自分のためにも相手のためにもならなくてはいけない。

スピーチには目的がある。その目的が自分のためにならないのであれば、そもそもする必要がない。また、相手のためにならないのであれば、相手はそのスピーチを真面目に聞く必要がないのだ。

※スピーチをする前に、自分のためになるか、聞き手のためになるか、と考えたい。

聞いていない場合は

それでも、ほとんどの人が聞いていない、というシチュエーションがある。

そんなときは、自分がなんとかできる範疇を超えているので、早く切り上げることを考える。

難しい状況で、当初の予定通りスピーチをやり切る、というミッションを設定してやり切ってもいいが(笑)、自分のためにはなっても、相手のためにはならない。だから早く切り上げればいい。

※ただし、自分を不快にしない、相手やスピーチを依頼した人を不快にしないことを目指す。

相手が聞かない場合も想定して、短いバージョンも用意しておくといいよ。

まとめ

本記事では、聞き手がスピーチを聞いていない場合の対処について書いてみた。

それは、1)緊張しなくて済むと考える、2)無理に聞かせようとしない、3)聞いている人に伝える、4)ゆっくりと話し出す、5)場を温めて内容へ、6)さっさと切り上げる、の6つだ。

まずは、ゆるく「緊張しなくて済む」といいように考えよう。

過度の緊張でスピーチが台無しになってしまうよりは、聞いてもらえない方がまだいいかもしれない。

無理に聞かせようとしてはいけない。そうすると、自分のペースを乱すことになるし、イライラするということもある。その努力が空回りして、より状況が悪くなるということもあり得るのだ。

スピーチは、自分のためになり、相手のためにもならなければいけない。

どちらのためにもならない、どちらか一方のためにしかならない、という時は、早めに切り上げることを考えたい。もし少数でも聞いてくれる人たちがいれば、その人たちのために話せばいい。

今回の記事:「スピーチを聞いていない…そんなときどうすればいいのか」