雑談をしない・できない人がいる。
雑談には意味がないからしない、そもそも人とコミュニケーションを取りたくない、雑談をしようと思っても上手くできない…など、人によりいろいろ理由はあると思う。しようと思ってもできない…という人は、雑談のコツを理解し実践を重ねることで、普通にできるようになるだろう。
今回は、知っておけば役に立つ「雑談のコツ」について書いてみたい。
雑談しない人がいる
雑談をしない人がいる
地方に赴任した同期と本社で偶然会ったときの話だ。
彼女と話をしたことはなかったが顔は知っていたので、「同期だよね」から雑談しようとした。
そうすると、「同期だとかそうでないとかは、もはやどうでもいいことです」みたいなリアクションをされて、二の句が継げず言葉を失ったことがある。わたしは彼女に嫌われていたのかもしれないが(笑)、とにかくその場で(わたしとは)雑談をしたくなかった…ということだろう。
当初から変わった人だな…という印象を持っていたが、本当に変わった人だった。
雑談をするマインドがない人と雑談することはむずかしい。
雑談を拒否したことが…
そういうわたしも、雑談を拒否したことがある。
ほとんど話をしたことのない上司と、大事な用件で面談したときのことだ。
彼はわたしの顔を見ると、「調子はどうですか?」と言葉をかけてきた。わたしは、「こちらの調子などはどうでもいいので、すぐに本題に入りましょう」という態度をとり、雑談を拒否する形になった。そのときは、こんなときに無意味な雑談などしている場合か…という気持ちがあったと思う。
上司は大人の対応をし、気分を害した様子はなかったが、わたしの行動はまずいものだった。
上司は、未熟で感じの悪い若者だ…と思ったはずだ。
雑談にはコツがある
雑談の意味を知る
雑談が下手な人は、雑談に意味を見い出すことができていない。
雑談は時間の無駄、何の意味があるのか、意味がないのでしない、となる。
※特に、仕事上のコミュニケーションにおいて、そう思うことがよくあるだろう。
少なくとも、上司と面談したときのわたしにはそういう気持ちがあったし、同期の彼女にもそういう気持ちがあったのかもしれない。人は意味がないことはしたくない…と感じるものなのだ。
雑談に前向きに取り組むためには、雑談の意味を理解することが必要になる。
場の空気を温くする
雑談にはまず、場の空気を温かくする、という意味がある。
場の空気を温めることなく用件だけ話して終わり、とすると、空気は冷たいままだ。
こういうことを繰り返していると、人間味のない冷たい人だな…という評価につながる。同じ場所にいて同じ空気を吸っているけれども、見えない壁を作り「共有しようとしない」という評価になる。
雑談をしない人は、(ビジネスライクな印象が強すぎて)どうしても冷たい印象になる。
相手に安心を与える
雑談には、相手に安心を与える、という意味もある。
相手が場の空気を温めようとすれば、相手に気遣いができる人だ、とわかる。
また、雑談を通じて、相手がこちらの社会性を感じると、相手は安心する。少し雑談しただけで、いい人だな、この人は愛情を受けて育ってきたのだな…、ということがわかることがあると思う。
相手に安心を与えることが、雑談が持つ大きな意味なのだ。
求めていることを与える
雑談のコツは、相手が求めていることを与えることだ。
相手がこちらに話題を提供したときは、相手は「その話題に乗ってほしい」と思っている。
その話題がスルーされたり、おざなりの返答だと、がっかりすることになる。たとえば、「この時期に雪が降るなんて思ってもみませんでした」と話しかけられたとき、「ここではめずらしいことではないよ…」と思い、「あ、そう?」でその話を打ち切ると、相手はがっかりするだろう。
会話において、<無関心>というのは、罪深いことだ。
肯定や共感を求めている
相手は、無関心ではなく「肯定」や「共感」を求めている。
相手が「この時期に雪が降るなんて思ってもみませんでした」と話しかけてきたら、「そうなんですよ、はじめて経験する人はびっくりすると思います」、「実は、わたしもそうでしたよ」というリアクションを求めている。
つまり、否定や無関心ではなく、「肯定」や「共感」を求めている、ということだ。
基本的には(一度は)肯定や共感で返す、とすればいいよ。
こちらが話すときは…
こちらが話すときは、まず話題を決めておく。
誰にでも通用する身近な話題というのは決まっている。
たとえば、天気・季節、土地、ニュース、食べ物、趣味、健康、旅行、家族、という話題だ。
その中から、自分が話題にしたいというものを選んでもいいが、もっといいのは、相手が話したいであろう話題を選ぶことだ。相手が健康に関心が強ければ、健康の話をすればいい。相手が家族を誇らしく思っていれば、その話をすればいい。そうすれば、相手のニーズに適う雑談になる。
相手のリサーチができれば、そうしておくといい。
相手が答えに窮したら…
こちらが相手に質問し、相手が答えに窮する、という場面がある。
こちらが漠然とした質問をしたときに、そういうことが起こりやすい。自分が問われたら…と考えてみてほしい。答える方は<広すぎて>どう答えればいいのか戸惑う。真面目な人ほど答えに窮するだろう。
ゆえに、「調子はどうですか?」などという漠然とした質問を避けるか、「わたしの方は~」と自分の調子について話したあと、「そちらの調子はどうですか?」と水を向ければいい。
※相手が答えにくそうな場合は、こちらが呼び水を与える、とすればいい。
会話では、相手に対する気遣いが必要なんだ。
まとめ
今回は、雑談のコツについて書いてみた。
今回の記事で書いたコツは、1)雑談の意味を理解する、2)こちらが相手の求めていることを与える、3)あらかじめ話題を想定しておく、4)相手に対する気遣いをする、の4つだ。
雑談を軽視する人は、その意味を理解していない。
わたしも、ビジネスシーンでは雑談は必要ないよ、と思っていたことがある。
だが、ビジネスシーンでも、人対人のコミュニケーションになる。そこには感情が存在するので、感情を無視して…ということではダメだろう。若い人がおじさんとは雑談したくない、コミュニケーションをとりたくない、という気持ちはよくわかるが、そこは大人になる必要がある。
雑談の要諦は、会話を通じて相手が求めていることを与える、ということだ。
聞くときも話すときも、このことができればそれでいい。聞くときは、相手の話題に興味を示し乗る。相手は、よく知らない話題であっても乗ろうとしてくれているな…と感じれば、うれしくなるものだ。 話すときは、相手が話したいであろう話題を選ぶ。そうすれば話が弾むだろう。
今回の記事:「雑談にはコツがある…相手が求めていることを与える」