腹式呼吸で話せるようになりたい、と思うことがあるだろう。
そうすれば、過度に緊張することなく話すことができる、声に力が宿るので、震えることなく安定して話せる、表現力が増す。即ち、コミュニケーション能力が上がるということになるためだ。
本記事では、腹式呼吸のやり方と実践での使い方について書いてみたい。
腹式呼吸のあれこれ
腹式呼吸のメリット
腹式呼吸のメリットから確認しておこう。
腹式呼吸のメリットは、換気効率がいい、リラックス効果がある、声がよくなる、
また、腹筋等を使うことや腹圧を高めること、内臓を動かすことによるメリットも考えられる。インナーマッスルを使うことにより、体の軸がしっかりする、安定するということもあるだろう。
※(胸式呼吸では緊張しやすい)首や肩のこりがなくなる、という可能性もある。
声が上ずるとか、気持ちが上ずる、という表現があるが、上ずる呼吸が胸式呼吸になる。上ずると気持ちが高ぶり落ち着きがなくなる。対して、どっしりした安定感があるのが腹式呼吸になる。
※自己啓発的には、コミュニケーション能力が上がる、というメリットが大きい。
腹式呼吸で話せば、声に力が宿るので聞き返されることがなくなるよ。
詳しくは以下の記事で書いたので、参考にしてほしい。
参考記事:腹式呼吸のメリット4つ
腹式呼吸になるシーン
意識せずとも(誰でも)自然に腹式呼吸になるシーンがある。
仰向けに寝たり、座った状態で前屈し両手の指先を床につける姿勢になるとそうなる。
椅子に座り、首や肩の力を抜いてリラックスした状態で背もたれに寄りかかってもそうなる。
これらの場合は、物理的に腹式呼吸の方がやりやすいから、リラックスしているから…という理由で、からだが腹式呼吸を選択するのだろう。だから、自分は腹式呼吸ができない、ということはない。
※自分は腹式呼吸ができない、と思っている人でも、できるシーンがあるのだ。
ちなみに、赤ちゃんは腹式呼吸だよ。あの体に比して力強い鳴き声は、ベースに腹式呼吸があるからだよ。
胸式か腹式か
自分の呼吸が胸式か腹式か確認してみよう。
左手を胸の上に置き、右手をおへそのあたりに置く。
※右手は、丹田あたり(おへそより拳1個分下)がいいとされるが、おへそでもいい。
呼吸したときに、左手より右手が大きく動くのであれば、腹式呼吸になっている。あまり変わらないとか、右手が動かない、むしろ左手が動くが…ということであれば、胸式呼吸になっている。
※通常の腹式呼吸の場合は、おなかの上に置いた右手が大きく前後に動くことになる。
腹式呼吸のやり方は
イメージを描く
腹式呼吸のメカニズムを知って、イメージを描きたい。
この動画の20秒から、ガラス管と風船、ゴム膜を使うイメージ動画が出てくる。
ガラス管が<気管>、風船が<肺>、ゴム膜が<横隔膜>ということだが、とてもわかりやすい。腹式呼吸はこういうメカニズムだ。横隔膜を引き下げて吸気する、という仕組みになっている。
※この「横隔膜を下げて吸気する」イメージを持っておくと、腹式呼吸をしやすくなる。
まずは息を吐く
首や肩に力が入ると胸式呼吸になるので、首や肩をまわすなどして力を抜く。
そして、口をすぼめ気味にして一定の強さで息を吐く。その際、息を吐ききることが大事だ。
呼吸という文字は、呼気(吐く息)と吸気(吸う息)からできている。呼気の<呼>が最初の文字であるから、息を吐くことが先になる。最初に吐ききってから吸えば、腹式呼吸になりやすい。
※吐くことが先だが、軽く吸ってから吐ききる、ということでもいいだろう。
そして息を吸う
息を吐ききった後、若干のポーズを入れて息を吸う。
息は鼻から吸うが、吐くときよりも時間を短くする。1、2、3、4ぐらいで吸えばいい。
吐く時間/吸う時間は1.5~2倍が目安になる。吸う時間を4とすると、吐く時間は6~8が適当だ。1、2、3、4で吸えば、1、2ポーズして、1、2、3、4、5、6、7、8で吐く。
その後、1,2とポーズをいれてまた吸う、この繰り返しだ。
息を吸うときは(腹式呼吸でも)交感神経が働く。だから、その時間を短くして副交感神経が働く吐く時間を長くする必要があるんだ。
実践でどう使う
問題は、実践でこの呼吸をどう使うのか…だ。
どうやれば、腹式呼吸をしながら話すことができるのだろうか。
話し方の専門家の小紫さんという方の動画だが、この人の説明がとてもわかりやすい。
端的にいえば、お腹を意識して話す、ということだ。小紫さんは、腹式呼吸時のおなかの動きは「は・は・は」と発音することでわかるとしている。そうすると、腹筋がビクビク動くのがわかる。
※重心を低くし、お腹の底から息のかたまりを出す、というイメージも必要だ。
わたし的には「は」もいいが、無声音の「す」もいいと思う。「す」よりももっといいのが、英語の「S」の音だ。これらの音を発音することで、腹式呼吸のおなかの動きを理解・記憶する。
※声をのせるとか、お腹の底から息のかたまりを出す、という練習であれば「は」がいい。
このお腹の筋肉を使う感覚を身に付けて話せば、腹式呼吸で話ができるようになるよ。
まとめ
本記事では、腹式呼吸のやり方と実践での使い方について書いてみた。
腹式呼吸には、実践すると、コミュニケーション能力が上がる、というメリットがある。
腹式呼吸をしながら話すことができれば、このメリットを享受することができる。だが、腹式呼吸はできても、その呼吸をしながら話すことができない・やり方がわからん、という場合がある。
※両者の間にはギャップがあるのだ。
このギャップを埋めるためには、1)腹式呼吸のメカニズムを知りイメージを描く、2)腹式呼吸時の腹部の動きを理解し身に付ける(話すときに再現する)、という方法が有効になるだろう。
重心を下に落とす、お腹に空気をためるようにする、というイメージも有効だ。
腹式呼吸自体はすぐにできるが、その呼吸をベースにして話す、ということはなかなかむずかしい。ある程度の練習時間というものが必要になる。毎日数分でも時間を取り、練習を重ねたい。
※自分の声を録音し、確認・修正しながら練習する、という方法がいいだろう。
今回の記事:「腹式呼吸のやり方は」
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