素直な人が伸びる理由を明らかにする

素直な人は伸びる、という話を聞くことがある。

素直ではない人がそういう話を聞くと、自分を否定されたような気持ちになる。

そして、その話を素直に受け取ることができない。素直でないのだから当然の反応だ。だが、この話は本当だ。ある程度経験を積んだ人であれば、自分の経験からも「そう思う」という人が多いだろう。

本記事では、素直な人が伸びる理由を明らかにしたい。


素直な人とは

素直な人の意味は

まずは、「素直な人」の意味だが、

ありのままで、裏表がなく正直な人、ひねくれていない人、という意味だ。

※ピュアな心を持っている人、としてもいい。

素直な人かどうかは、たとえば、ほめられたときの対応でわかる。

人にほめられたとき、素直に喜んだり感謝したりするのが、素直な人だ。そうでない人は、ほめられると複雑な顔をして、「大したことじゃない」とほめを否定したり、「何か相手に下心があるのでは…」といぶかる。

後者は、ほめる人からみると、「ひねくれた人」ということになるだろう。

人により、ほめられたときの反応が違うよ。自分の反応も振り返ってみるといいよ。

素直な人が伸びる理由は

やる気を保てる

素直さと「やる気」には、ある程度関係がある。

今述べたように、素直な人はほめられると、素直に喜んだり感謝したりする。

素直に「評価された!」と思うので、うれしくなるのだ。うれしくなるとポジティブな気持ちになり、その気持ちがやる気にプラスの影響を及ぼす…ということだ。プラスのことは、そのままプラスとして消化できるので、そうなるのだ。

そうでない人は、(ほめられても)否定したりいぶかったりするため、プラスのことでも0にしてしまう。そのくせマイナスのことは倍にして消化するので、ネガティブな気持ちになり、その気持ちがやる気にマイナスの影響を及ぼす。

プラスのことを素直にプラスとして消化できれば、自分が前に進むエネルギーになる。ほめられることに限らず、それができる素直な人は、モチベーションを保ちながら、地道に努力を続けることができるのだ。

モチベーションの維持が、成長の大きな変数になることは、容易に理解できると思う。

自尊心が低く素直ではない…という人は、(自分にはマイナスが相応しいと言わんばかりに)頑なにプラスを受け取らない傾向がある。これでは伸びることができないよ。

人の話を聴ける

素直な人は、謙虚に人の話を聴くことができる。

いい話なら誰でも聴けるが、悪い話・聴きたくない話を聴ける人は少数だ。

実際にあった話だが、同僚のAさんが若いBさんに説諭する、というシーンがあった。Bさんの素行に問題があったためだが、Bさんはそれ以降、Aさんを嫌い避けるようになった。問題のある素行も改まることはなかった。

Bさんは、リスクをとってBさんに説諭したAさんの行動を無にした、ということだ。

相手の話を聴けないということは、相手の行動を無にすることになるんだ。

人と比べて凹むことが

素直な人は、自分と他人を比べて落ち込む…ということがあまりない。

素直に相手を認めたり、ほめたり、たたえたりすることができるためだ。

※相手のいいところを素直に評価できる。

素直でない人は、「羨ましい」とか「相手に比べて自分はだめだ…」、という思考になり、相手を妬み自分を貶める、という状態になる。やる気を失くすこともあるだろう。とにかく、感情もパフォーマンスも下振れする、という状態になるのだ。

人と比べて不幸を感じる…という、よくありがちなマイナスがないことは大きい。

比較の呪縛から逃れている人だよ。

自然に情報が集まる

このタイプの人には、自然に情報が集まりやすくなる。

先に、相手の話を聴けないということは、相手の行動を無にすることになる、と書いた。

無駄なことに自分のリソースやエネルギーを使う、という人はいない。あなたも、話を聴かない人に情報を与えよう、話をしようとは思わないはずだ。その分、話を聴く人にそうしよう…と思うだろう。

その結果、話を聴く素直な人に情報が集まる、ということになるのだ。

※情報の差は、伸びの差につながる。

基本がしっかりする

このタイプの人は、基本をしっかり学ぶことができる。

基本が大事だという普遍的な原則を取り込み、愚直に学ぶことができるためだ。

<基本>は(作物を育てる)土壌のようなもので、質が悪かったり、厚みが不十分であれば、作物はうまく育たない。素直な人は、この土壌にあたる基本がしっかりしているので、伸びやすい…ということだ。

素直にならないと、基本にリソースを割きしっかり学び厚みを築く、ということはできない。

単調な基本の習得や復習にリソースを割く、ということは、基本の大切さを理解していても、なかなかできないことだよ。

人間関係に恵まれる

このタイプの人は、人に好かれやすくなる。

あなたも、自分の話を素直に聴いて共感してくれる人が好きなはずだ。

素直な人は、素直に反応してくれる。ほめると喜んだり感謝したりするし、説諭しても聞く耳を持つ。他者に責任を転嫁する、ということもない。正直でわかりやすい。つまり、人に好かれる要素だらけなのだ。

※誰かと仲良くなりたければ話しかけるし、他者を素直にほめることも自然にできてしまう。

人に好かれれば、人脈がひろがり、他者からのサポートを受けやすくなる。いろいろな機会も増えるだろう。人間関係から大きなストレスを受けることもないので、すくすくと成長しやすくなる。

※逆に、嫌われやすい人は人脈や機会に乏しく、大きなストレスも受けるので成長できない。

ピュアな心が魅力になり相手を惹きつける、ということもあるよ。

まとめ

本記事では、素直な人が伸びる理由について書いてみた。

素直な人は伸びる、という話には根拠があるので、素直に聴いた方がいい。

本記事で書いた理由だが、1)やる気を保てる、2)人の話を聴ける、3)人と比べて凹むことがない、4)自然に情報が集まる、5)基本がしっかりする、6)人間関係に恵まれる、の6つになる。

素直な人には、成長を阻害する「下振れ」がない。

たとえば、妬みや嫉み、固定観念や認知の歪みが下振れの原因になるが、そのような原因を持たないので、下振れがないのだ。だから、そのような原因を抱える人と比較すると、成長が早くなる。

また、人間関係に恵まれる、という要素は大きい。

人は自分の話を素直に聴いてくれる人を大事にする。素直な人にはこういう姿勢があるから、人間関係に恵まれる。そうなれば、<基本>と同じく、土壌が豊かになる、ということになり、伸びやすくなるのだ。

人間関係から強いストレスを受ける、という「下振れ」がないことも大きい。

今回の記事:「素直な人が伸びる理由」