あなたは失敗したとき、責任をどこに求めようとするだろうか。
自分なのか、他人または自分をとりまく環境か…前者なら自責で、後者なら他責になる。
一般に、自責思考の方がいいとされる。だが、自責にもデメリットがあり、他責にもメリットがある。なんでもかんでも自責にして不要な責任を負い、自分が潰れてしまっては元も子もなくなる。
ということでむずかしいが、本記事ではどちらの思考でいけばいいのか結論を出したい。
自責か他責か
なぜ自責思考なのか
一般に、他責よりは自責がいいとされる。
その理由は簡単で、自責思考のメリットが大きいためだ。
自責にすると自分のことになる。そして、自分の行動と結果の因果関係を考えるようになる。自分がこういう行動をしたから、好ましくない結果につながったのでは…と、考えるようになるのだ。
※仮説を立てることができるようになる、ということだ。
投資は自責
ちなみに、投資は自責だ。投資は自己責任になるのだ。
株式投資では、どうにもならないことに振り回されることがある。
~ショックは(時期は不明だが)必ず起こるし、会社が不正に手を染めることもある。
外部の予期せぬ事象は、投資した自分の責任ではないのだが、誰かの責任にしても意味がない。投資したのは自分の意思であり、責任をほかに求めたところで誰も損失の補てんなどしてくれないのだ。
投資して失敗しても、自責にしてその失敗から学び倒すしかない。
失敗したときは、失敗にかじりついて学び倒せばいいんだ。
自責と他責をやってみた
意図的ではないが、仕事上で結果的に自責と他責になったことがある。
※どちらも同じ<チームでの仕事>だ。メンバーはわたし以外全く違うが。
他責になったときは、リーダーのもとで働いたときだ。仕事の設計はリーダーがやって、実務はわたしと別のメンバーが行った。結果はよくなかったが、わたしはリーダーの責任であるとした。
言われたことをそのとおりにやっただけで、結果の責任など知らんがな…と思っていた。
自責になったときは、リーダーとしての役割を果たしたときだ。このときは結果は出たのだが、自分+ほかのメンバーにも多くを求めたため、人間関係が悪くなるという副作用が出てしまった。
このときは、「知らんがな」とはせず、人間関係が悪くなった責任は自分にあるとした。
結果に対する変数(自分の影響力)が大きくなったので、自然と自責になったよ。
学びの量が変わってくる
自責と他責では、学びの量が変わってくる。
他責の場合は、基本的に「知らんがな」なので学ばない。
先の仕事で「何を学んだのか」と問われても答えられない。リーダーは仕事の意味をきちんと説明すべきだった、人員を増やすべきだった、ベテランを配置すべきだったと、リーダーの話になる。
自分に責任はなく、リーダーの責任だと思っているのでそうなるのだ。
自責の場合は
一方、自責の場合はかなり学ぶ。
先に挙げた例はかなり前の話だが、そのときの学びは今も生きている。
他人にどの程度求めればいいのか、目指すところが違う場合、どう擦り合わせていけばいいのか、他人のモチベーションを上げるにはどうすればいいか、危険なサインは…等の学びが生きている。
自責思考だからこそ、検証し仮説を立て学びにすることができるのだ。
印象が悪くならない
自責思考には、さらにいいことがある。
自責の人の場合は、ずるい人だとか悪い人だという評価にはならない。
他責の人をまわりから見ると、失敗は他人に押し付け手柄は横取りする、という悪い印象になる。ダウンサイドは誰かに押し付け、アップサイドをかすめ取る、というイメージの悪い人になる。
自責の人はまわりのせいにはしないので、そういう評価にはならない。
他責にもメリットが
良いとされない他責思考だが、他責にもメリットはある。
ひとつは、肩から不要な重荷を下ろす効果がある、ということだ。
なんでもかんでも自責にしていると、しんどくなることがある。そんなときは、重要度の低いことを他責にして(不要な)肩の荷を下ろす。そんことは、「知らんがな」ということでいいと思う。
もちろん、ダウンサイドを人に押し付けないということが前提だ。
ダウンサイドを他人に押し付けていると、人間関係は貧しくなるよ。長期的にみれば、自分が損をすることになるんだ。
視点を変えることが
もうひとつは、視点を変えることができる、ということだ。
自責思考の場合は、自分のこととして考えるため、メタ認知がし難くなる。
そんなとき、他責思考に切り替えれば、自分のことから幾分距離をとって考えることができる。そうすれば、「自責にする必要はないんじゃないの?」とか「重要じゃないよね」と思えたりする。
認知の歪みがあれば、視点を切り替えることで、とることができるだろう。
責任思考の結論を出す
ということで、自責か他責かの結論を出したい。
人には「自分以外の何かのせいにしたい」という気持ちがある。
だから、この気持ちを補正するためにも、基本的には自責思考でいいと思う。自責思考を持ち失敗から積極的に学び、どんどん成長すればいいのだ。そのときの学びは一生の財産になるだろう。
同時に、他責思考も有効に利用したい。
肩の荷を支えきれなくなったときは、他責思考の出番になる。また、視点を変える必要があるときも、他責思考で考えてみる。そうすると、新しい発見があり、有効に対処できるかもしれない。
自責思考がメインのハイブリッド型…ということでいいと思う。
まとめ
本記事では、自責思考か他責思考か結論を出したつもりだ。
基本は自責思考でいいだろう。自責にはメリットが多く、そうする価値がある。
自責のメリットは、1)学びの量が変わってくる、2)他人の自分に対する印象が悪くならない、ということだ。どちらも大きなメリットだ。自責は、成長するための必要条件としていいだろう。
※自分以外のだれかのせいにしたい…という気持ちを補正するためにも有効だ。
一方で、上手くすれば他責思考も利用できる。
自責思考が行き過ぎて苦しくなったときは、他責思考を入れて自分を楽にする。自分が潰れてしまっては、元も子もない。また、視点を変えたいときやメタ認知をしたいときに他責は役に立つだろう。
ベースは自責で、必要なときに他責を効果的に使う、というのが本記事の結論だ。
今回の記事:「自責思考か他責思考か結論を出す」