会話に入れない人の心理はどういうものか

3人以上の集団になると、会話に入れない…という人がいる。

それには、いくつかの原因があるだろう。

たとえば、2人であれば、相手がこちらに合わせて待ってくれるけれど、3人以上になると、ほかの人が話し出すので待ってくれない…ということがある。話し手が複数の聞き手に対し平等に話してくれればいいけれど、偏った姿勢で話す、ということもある。

人数が増えることで、格段にコミュニケーションがむずかしくなる、ということがあるのだ。

本記事では、「会話に入れない人の心理」について書いてみたい。


会話に入れない人の心理とは

苦手意識がある

3人以上で会話する場に対して、苦手意識がある。

そういう場に<はめ込まれてしまう>と、とても居心地が悪くなる。

その苦手意識は、自分的には根拠のあるものだ。たとえば、ほとんど話せなかったとか、逆に話し過ぎて失敗してしまった、余計なことを言ってしまった…という複数の事実や、そもそも自分はコミュニケーション能力が低い、という認識から苦手意識ができあがる。

今すぐこの状況から抜け出したい…と思いながら、会話に入ることはむずかしい。



無視されていると感じる

話し手から無視されている…と感じて、会話に入らない場合もある。

たとえば、3人以上で会話するシーンを考えてみる。その中には、会話をリードする人がいる。

そのリーダーが話をするときに、主に自分以外の人の方へ顔を向けて話す。自分の方にはほとんど顔を向けない…ということになると、「自分は無視されているな」と感じ、会話に入る気が失せてしまう。

自分は尊重されていないな…と感じるので、気分を害し黙り込む…ということになる。

無視して会話にいれない

話は逸れるが、誰かがわざと無視して特定の人を会話にいれない…ということもある。

会社員時代の話だが、上司にこれをやられたことがある。

仕事を終えた後、出張先のホテルで休んでいると、上司から電話がかかってきた。「下のホテルのバーで同僚と飲んでいるので、君も付き合わないか?」ということだった。わたしは一度遠慮したが、執拗に誘ってくるので、やむなく彼らと合流した。

そうしたら、客先の若手を囲む形で、上司ともうひとりの同僚が飲んでいた。

※要するに、接待をしていた(わたしにしたら、聞いていないよ?だ)。

意趣返しだった

わたしは、正直「何だこのだまし討ちは」と思い、嫌な予感がした。

案の定、わたしをわざわざ呼んでおいて、わたしのことは完全無視だ(笑)。目線も合わそうとしない。しかも、接待をするのであれば、もっと適当な人たちがいるのに、わざわざわたしと同じぐらいの年齢の若手を呼んで接待している。

あとから、上司はなんでそんなことをしたのだろう…と考えたのだが、思い当たることがひとつあった。わたしが主役の飲み会で、(調子にのって?)上司に対し「あまり話されていませんが、どうかされましたか」というようなことを言ったことがあった。

上司はこの言葉にカチンときたのだろう。彼的には、江戸の敵を長崎で討った、ということだ。

余計な発言が災いになった、という例だよ。こういう痛い経験が、苦手意識に繋がるんだ。

気を遣わせてしまった

閑話休題。相手に気を遣わせて申し訳ない…と思うこともある。

無視する人とは真逆だが、「会話に入れない人」に気を使ってくれる人がいる。

黙っている人に気付き、話を振ってくれる…という人がいるのだ。だが、会話に入れない人の中には、この気遣いを感知して重く受け止め、「相手に余計な気を使わせてしまった」、「相手にそうさせてしまう自分は、とことんダメだな…」と、感じる人もいる。

相手に申し訳ないと萎縮して、自分はダメだな…とへこんでしまうのである。

話すことがこわい

話すことがこわい、というケースもある。

先に述べたように、余計なことを言って相手を怒らせる、嫌われる、

変なことを言って、場を白けさせる、自分の言葉が誰にも受け止められず、宙に浮いてしまう。なかったこととして、流されることもあるだろう。さらには、「お前に言ったのではない」という顔をされることもある。



ボクシングでたとえれば、自分が放つパンチはすべて空を切り、カウンターをもらうことすらある、という状態になる。こういう状態では、パンチを打とうとする気持ちは萎えてしまうだろう。

話すことに大きなリスクがある、と思えば、当然、話せなくなってしまうのだ。

会話についていけない

いくつかの理由から、会話についていけないな…と思う。

自分だけ、相手の話を理解できない、聞き取れていない…と感じることがある。

※だが、わかったふりをしてしまう。

聞き取れて理解できても、返しを考えているうちに、誰かが発言して、その発言の内容をどのように取り扱うかを考えているうちに、また誰かが発言して…の繰り返しで、会話にのれない、ついていけない…と思ってしまう。

どのあたりで見切って話せばいいのか、ということがわからないのだ。

まとめ

本記事では、「会話に入れない人の心理」について書いてみた。

今回の記事で書いた心理は、1)苦手意識がある、2)無視されていると感じる、3)気を使わせてしまった、4)話すことがこわい、5)会話についていけない、の5つになる。

少しでも無視されると、「うわ~無視されている」と感じ、気を遣われると、「相手に余計な気を遣わせてしまった…」と感じ、会話に入れない状態を後押ししてしまう。なかなかに、面倒でむずかしいと思う。

そういう人を助ける方法は、相手に気を遣っていると思わせることなく、さりげなく気を遣うことだ。自分はコミュニケーション能力が高い、と思う人は、この難しい課題にチャレンジしてみてほしい。

この課題をクリアできる人は、本当にコミュニケーション能力が高い人になる。

今回の記事:「会話に入れない人の心理はどういうものか」