SWOT分析を使い自己分析から始め、人生を攻略したい。
教科書的にいえば、自己の強みを活かし、自己の弱みを改善・克服する、自分が上手く利用できる機会を見つけ、チャンスを掴む、脅威は取り除く・回避する、脅威に対応する術を身に付ける、ためにSWOT(クロス)分析をしよう…となる。
だが、本記事では教科書的な話ではなく、より実践的な話をしたい。
SWOT分析の目的は
何のためにSWOTで自己分析するのか
まずは、分析の目的をしっかり定めておきたい。
SWOT分析で自己分析する目的は、人生において「自分を活かす」ということだ。
※自分の能力を(人生において)後悔なきよう最大限発揮する、ということ。
前回の記事で、「人生とは、自分をいかに早く上手く受け入れて、自分を活かすか…という競技である」と書いた。自分の能力を最大限発揮できれば、人生が楽しくなる。そして、おのずから結果を伴う実りある人生になる。
そうするために、この分析を行う、ということを念頭に置きたい。
自己分析のやり方は
内部要因を分析する
まずは、自己の内部要因の分析からはじめよう。
内部要因 | 外部要因 |
強み | 機会 |
弱み | 脅威 |
自分と率直に向き合うことで、内部要因を洗い出す。
ある内向的な人の例であれば、こうなる。
強み:
読書が好きである・これまでの読書量は大したものである・考えることが好きである・データの収集や分析することが好きである・仕事の質が高い・観察眼がある・細かい所作から人の気持ちを読み取ることができる・美的な感覚が優れている・書くことが得意である・粘り強く地道な努力を積み重ねることができる。
弱み:
行動が苦手である・話すことが好きではなく苦手である・人見知りをする・人の好き嫌いがやや激しい・人間関係の構築が苦手である・傷つきやすい・感情的になりやすい・落ち込みやすい・気分を害しやすい・心配しやすい・嫉妬心が強い・他人の評価を気にしがちである・慎重すぎるところがある・無駄に完璧主義である。
誰に見せるわけでもないので、率直に自分の強みと弱みをテーブルの上に並べてみよう。
外部要因を分析する
次に、自分を取り巻く外部要因の分析をする。
内部要因 | 外部要因 |
強み | 機会 |
弱み | 脅威 |
機会:
自分の強み・弱みが活きる機会。弱みを改善する機会。「追い風」にたとえることができる。
脅威:
自分の強みが発揮できず、弱みを突かれる状況・構図。「向かい風」にたとえることができる。
ここで注意すべきは、自分の内部要因とリンクした外部要因を分析すべき、ということだ。自分にとって追い風にも向かい風にもならないような要因を挙げて分析したところで、分析のための分析になりあまり意味はない。※クロス分析に繋げるため。
自分の内部要因とリンクした外部要因を考えてみよう。
クロス分析をしよう
強み・弱み × 機会
自分の強み・弱みが活きる機会とは何か、と考える。
内部要因 | 外部要因 |
強み | 機会 |
弱み | 脅威 |
※弱みが活きる、というのはおかしいが、弱み度が薄れると考えれば良い。
先の内向的な人の例では、データサイエンティストが求められるようになってきた、
個人でもメディアを持ち情報を発信することが容易になった、社員でも副業が認められるようになってきた、転職が当たり前になってきた、独立・フリーランスへの道も以前より開けてきた、ということを機会として挙げられる。
文章だけでも、人と容易に繋がることができるようになってきた、ということもある。
弱みを改善する機会、というものも考えてみよう。たとえば、話下手な人が話し方教室に通う、というのは、自分の弱みを改善する機会になるよ。
強み・弱み × 脅威
自分の強みが発揮できず、弱みを突かれる状況・構図とは何か。
内部要因 | 外部要因 |
強み | 機会 |
弱み | 脅威 |
先の内向的な人の例では、習うより慣れよ、という状況、行動を急かされる状況、
雑談を強いられる状況、肉声による発信が主である状況、乱暴・がさつな人がいる環境、論理や合理性を欠く環境、美的なセンスのない環境、同期や後輩が上司になるような状況、情実的な人間関係がモノを言う環境、ということになりそうだ。
そのほかには、他人とルームシェアする、という状況も脅威になるだろう。
脅威は回避する
自分を脅かす脅威があれば、そこから遠ざかればいい。
自分の強みが発揮できず、弱みを突かれる状況・構図に、はまらないようにする、ということだ。
苦手を克服しようとするのであれば、機会を見つけて裏(B面)でやればいい。
先に述べたように、話下手な人が(退社後)話し方教室に通う、ということをすればいい。スポーツでいえば、練習のときにあえて苦手な状況にはまり、改善を試みる、ということだ。だが、これを表(A面)でやってはいけない。
表でこれをやると、被るダメージが想像以上に大きくなるためだ。
自分の土俵でたたかう
表でやると自信は無くすし、まわりの評価はがた落ちになるし…で、いいことがない。
一度大きく落ちた評価を引き上げるのは、大変なことだ。そのために、余計な時間とエネルギーを使わなければいけなくなる。マラソンでも、途中で余計な足を使うと、(後まで響き)タイムがその分、遅くなってしまう。
だから、表(A面)では、脅威の状況・構図に、はまらないようにすることを心がける。
もし、はまりそうになったら、白旗をあげ降参する、尻尾をまいて逃げ出す…でいいのだ。負け戦はしない。負け戦のダメージは、最小限に抑える。自分に「YES」というために、はっきり「NO」というべきなのだ。
脅威は回避していい。負けそうになったら、さっさと降りればいいのだ。
表(A面)では、あくまでも自分の土俵で戦う、ということが大事になる。そのために、自分の脅威になる状況・構図はどのようなものなのか、を知る必要があるんだよ。
まとめ
本記事では、SWOT分析を使い自己分析するやり方について書いた。
機会 | 脅威 | |
強み | 全集中する | 「機会」に変えられる? |
弱み | 裏(B面)で改善する | 固執せず回避する |
冒頭で述べたように、教科書的にいえば、自己の強みを活かす・弱みを改善・克服する、自分が上手く利用できる機会を見つけ掴む、脅威を取り除く・脅威に対応する術を身に付ける、ために(クロス)分析をしよう…となる。
しかし、限られたリソースで、何でもかんでもできるわけではない。
だから、実践的には、人生において「自分を最大限活かす」ということに絞る。
※追い風に乗る、追い風を最大限利用する、ということに絞る。
そのために、自分の内面と深く率直に向き合い、自己が持つ強みと弱みを分析し、自分の強み・弱みが活きる機会+自分の強みが発揮できず、弱みを突かれる状況・構図(脅威)を洗い出す。
前者は徹底的に(骨をしゃぶるように)利用し、後者はあっさり回避する。
自己の弱みを改善・克服したければ、自分にそうするだけのリソースがあることを確認し、裏(B面)で行えばよい。向かい風で進む方法を見つける、以前は向かい風だったものを追い風にすることができる、ということであれば、そういう努力にも意味が宿るだろう。
人生において「自分を最大限活かす」ために、SWOTを使ってみよう。
今回の記事:「SWOT分析を使い自己分析する」