メタ認知のやり方は|メタ認知で自分の言動を改善する

メタ認知というものがある。

この認知をすれば、より良い行動がとれるとされる。

たとえば、感情的になっているときに、クールダウンしようと思えば、メタ認知をすればいい。自分の認知を対象化して客観的に見つめることで、合理的な言動ができるようになるだろう。

他人とのコミュニケーションも良好になる可能性がある。メタ認知をかますことで、(自分本位な言動などの)不適切な言動を排除することができるためだ。言動の補正が可能になるのだ。

本記事では、メタ認知とそのやり方について書いてみたい。


メタ認知とは

メタ認知の意味は

まず、メタ認知の意味から確認しよう。

自己の認知のあり方に対して、それをさらに認知することである。
ものごとや経験に対して正しい理解を行えているかなど、自分の認知行動を正しく知る上で必要な思考のありかたを指すことが一般的である
出典:メタ認知 – Wikipedia

距離、視座、次元を変えて、自分の認知を把握・理解する認知ということだ。

この認知を行うためには、自分の認知を対象化して客観的に見つめる必要がある。そうすれば、非合理的な思考や好ましくない感情から離れることができ、より良い行動がとれる…というわけだ。

六然の中にも

わたしが座右の銘にしている六然の中にもメタ認知がある。

自処超然、得意澹然、失意泰然には、メタ認知の考え方がある。

得意澹然とは「得意になったときは、おごり高ぶらず淡々とした態度を保持せよ」、失意泰然とは「失望したときは、取り乱したりせず落ち着いて動じないようにせよ」という意味だ。

得意になって自慢すると、嫉妬されたり「嫌な奴だな…」と思われたりする。失望したときに絶望して深く落ち込むと、感情的な判断をしたり、再浮上がむずかしくなってしまうのだ。

いい時も悪い時も、メタ認知で補正した方がいい。

苦しんだ大坂選手…

大坂なおみ選手は、メタ認知を利用してビッグゲームをものにした。

2セット目、3度のマッチポイントを握りながら、勝ちきれずこのセットを落としてしまう。

悔しさがあふれたのだろう。思わず感情をあらわにし、涙すら見せてしまった。テニスはメンタルが大事なスポーツだ。メンタルが崩れると自壊するし、相手に元気を与えてしまうことにもなる。

そのときは、失意泰然とは逆の状態になってしまったんだ。

メタ認知を利用した

ここで、大坂選手はメタ認知を利用した。

トイレットブレークをとったときに、メタ認知を利用して落ち着いたのだ。

最終セットは、自処超然、得意澹然、失意泰然を実践した。上手くいったときは喜びを控えめにし、上手くいかなかったときは、取り乱すことなく落ち着いて、動じないようにしたのだ。

自壊を防ぎ、相手につけ入る隙を与えない、という状態になったよ。

メタ認知のやり方は

自分と距離をとる

自分と距離をとれば、メタ認知をすることができる。

距離というのは、物理的な距離でもいいし、時間的な距離でもいい。

後者について考えてみる。今、10年前、20年前の自分を考えてほしい。そのときの自分は、自分であっても客観的に見ることができると思う。10年前よりも、20年前の自分の方をより客観的に見ることができるかもしれない。それは、時間的な距離が離れているためだ。

意図的に自分と距離をとる必要がある。

10年後から見る

想像力を使い、10年後から自分を見てみたい。

あなたが35歳であれば、身近にいる45歳の人を想像して自分を重ねる。

そして、45歳の自分から今の35歳の自分がどう見えるのか…と考えてみる。よくわからなければ、25歳の自分を振り返る思考が助けになるだろう。25歳の自分が相当未熟だった…と思うのであれば、45歳になって10年前を振り返っても、同じことを思う可能性がかなりある。

※自分の認知は万全ではなく未熟である、ということを確認することができる。

それだけ成長している、ということでもあるよ。

自分の言動を他者に見る

自分の言動を他者に見て評価する、という方法もある。

たとえば、社内や近所ですれ違っても、目線を合わせずあいさつしようとしない人がいる。

そのときは感じが悪い人だな…と思うが(笑)、その姿は時と場所を変えた自分の姿かもしれない。自分にもそういうことがあるな…と思い、自分の行動を良い方に変えるきっかけにすればいい。

他者の愚痴をこぼしたり言い訳する姿も、自分と重なるかもしれないね。

実況中継する

第三者になって、実況中継すればいい。

何かのはずみで、トラウマ級の嫌な出来事を思い出すことがあると思う。

そんなときは、すぐに実況中継すればいい。「嫌な出来事を思い出して、とても嫌な気分になっています」、「強いストレスを感じています」、「内臓に鈍い衝撃が走っています」とすればいい。

そうすることで、自分の感情を対象化して客観的に見つめることができる。

間をとる

大坂選手は、トイレットブレークをとったときにメタ認知を利用して落ち着いた。

同様に、感情的になったな、何か上手く行かずまずいな…と思ったら、間をとればいい。

そのときに何をすればいいかというと、腹式呼吸をすればいい。上体を倒すと自然に腹式呼吸になる。立ったまま前屈の姿勢をとったり、椅子に座ったまま両手を床につけると、腹式呼吸になる。

録音・録画する

自分の声を録音したり、自分を動画撮影して確認する。

そうすると、声にしろ姿にしろ、自分が思っているのとはやや違うことがわかる。

ゆえに、にわかには受け入れられない、ということがあるかもしれない。だが、その感情を乗り越えて素直に受け入れることができるようになれば、こうした方がいい、ということが見えてくる。

声が小さい、滑舌が悪い、表情が乏しいなど、客観的に評価できるようになれば、しめたものだ。

自分の欠点の改善につなげることができるよ。

まとめ

本記事では、メタ認知のやり方について書いてみた。

そのやり方は、1)自分と物理・時間的な距離をとる、2)10年後から見る、3)自分の言動を他者に見る、4)実況中継する、5)間をとる、6)自分の声や姿を録音・録画する、の6つだ。

メタ認知を行うには、自分の認知を対象化して客観的に見つめる必要がある

そうするためには、どうすればいいのか…ということだ。

即効性があるのが、「間をとる」という方法だ。まずは、その場(思考の場も含む)を離れて腹式呼吸をしたい。息を吐くときに、ネガティブな感情も吐き出すとすれば、より効果があるだろう。

自分の声や姿を録音・録画して確認すると、結構おもしろい。自分では引きつった笑顔だと認知しているのに、録画再生して見ると、普通の笑顔に見える。この差が、認知の歪みになるのだろう。

メタ認知を使って自分の言動を補正すれば、必然的により良い結果につながるだろう。

今回の記事:「メタ認知のやり方は」