落ち込みやすい人がいる。
このタイプの人は、人生という航海においてかなり損をすることになる。
ネガティブな雑念の対応にリソースを割くはめになるためだ。そうすると、その分大事なことにリソースを割けなくなり、大きな損をすることになる。マイナスを足すことになるので、後ろに進むことになるのだ。
ゆえに、このタイプの人は、<落ち込まない人>に近づく努力をした方がいい。
本記事では、「落ち込まない人になる方法」について書いてみたい。
妄想に対応する
妄想に線引きをする
妄想とは「根拠のない想像」だが、妄想には線引きをしなければいけない。
※ここでは、根拠の薄い想像も妄想とする。
落ち込みやすい人は、妄想を「根拠のある想像」としてしまう。たとえ、想像の当たる確率が1%以下であっても、根拠のある想像である、として心配になり、得も言われぬ不安を抱いたりする。
まずないだろう…という想像の対応に、リソースを費やしても意味がない。リソースの使い方に問題が生じるし、そうしたところで精神状態が(悪くなっても)よくなる、ということはないのだ。
だから、妄想するのは自由だが、妄想は妄想として線引きをすることが大事になる。
妄想を否定しなくてもいいよ。ただ、線引きをすればいいんだ。
確証バイアスに注意する
わたしたちには、「確証バイアス」という偏りがある。
自分の考えを肯定する情報を集め、否定する情報は無視・軽視する、という偏りだ。
わたしたちが妄想を抱くと、その妄想を肯定する情報を集めようとし、妄想を否定する情報は無視か軽視する。だから、妄想を「根拠のある想像」としてしまうのだ。この愚は避けなければいけない。
情報を集めるときは、確証バイアスがかかっていないか…と常に意識する必要がある。
妄想は確証バイアスで成長することがあるんだ。
問題をひろげない
落ち込みやすい人には、問題をひろげる傾向がある。
たとえば、ある仕事が思うようにできなかったとしよう。
そうすると、ほかの仕事もうまくできないのではないか…と思ってしまう。確かにそういうことはある。どの仕事の結果にも影響を及ぼす説明変数(たとえばコミュニケーション能力)に問題があればそうなることがある。
ゆえに、この仕事がだめならあの仕事もだめだろう…と思うが、そう思う必要はない。
たとえコミュニケーション能力が低くても、そのことを理解して支援してくれる人がいることがあるし、失敗から学び自分で修正できることもある。状況が変わるので、頭からあれもだめ…としなくていいのだ。
※恋愛でも、ある人に振られたから、別の人にも振られるだろう…とする必要はない。
自分で問題をひろげる人は、自分から落ち込もう…とすることに等しいよ。
失敗に対応する
失敗は素直に認める
失敗は、素早く素直に認めた方がいい。
落ち込まない人は、気持ちの切り替えが上手だ。失敗をすぐ認めるから、そうできるのだ。
失敗を認めると、あれこれ言い訳を考える必要がなく、スッと分析モードに入ることができる。先日、ATMでカードを取り忘れる、という失敗をして恥ずかしい思いをしたが(笑)、すぐに分析モードに入った。
後ろに人が並んでいたので、「早くしないと…」という気持ちがあった。出金した現金を封筒に入れなければ…という意識が強かった。立ち去る時にチェックをしなかった、ということが原因だ。
失敗を素直に認めれば、すぐに原因の分析と同じ失敗をしない対策を立てることができる。
原因の分析と対策を立てることが、気持ちを切り替えることになるよ。
失敗を想定しておく
失敗や困難はかならずあることで、想定しておけばいい。
失敗したり困難にぶつかったら、「ここできたか…」と思えばいい。
失敗というのは、思わぬ形でやってくる。自分がATMでカードを取り忘れる…なんてことはこれまで全く考えていなかった。このように、どんな失敗がくるのかわからないが、何らかの失敗をする、ということは明らかで、想定できることだ。
行動する回数が増えると、必然的に失敗する回数も増えるのだ。
自分の価値と紐づけない
失敗や挫折を<即>自分の価値と結びつけてはいけない。
失敗すると、「間抜けだな…」と思い、自分を貶めたりする。
会社で自分の意見が通らなければ、「自分には価値がない…」と思う。誰かに何かを依頼して断られると、「軽く見られた…」と思う。告白を断られると、「自分の価値はこんなもんか」と思う。
※年収が低くても、自分には価値がない…と思うだろう。
だが、自分の価値は時間とともに変動するものだ。また、評価の基準を変えれば変わるものだ。人は存在するだけで価値があるのだろうし、全方位的に価値がない、なんてことはあり得ないのだ。
自分のパフォーマンスと価値は、安易に結びつけない方がいいだろう。
雑念を相殺する
妄想にしろ失敗にしろ、ネガティブな雑念の製造機だ。
こういう雑念は、逆位相の雑念を用いて打ち消してやればいい。
※ノイズキャンセリングの仕組みを使い、ネガティブな雑念を打ち消してやればいい。
たとえば、誰かにひどいことを言われた・自尊心を傷つけられて落ち込みそうだ…というときは、自分が評価されたこと・自分を尊重し、感じのいい対応をしてくれた人のことを思い出してみる。
そうすれば、自尊心を傷つけられたことすらも、「鍛え」としてプラスにできるかもしれない。
※人生という航海では、それぐらいの逞しさ、したたかさがあってもいいだろう。
まとめ
本記事では、「落ち込まない人になる方法」について書いてみた。
落ち込みやすい人は、今からでも<落ち込まない人>に近づく努力をした方がいい。
その方法は、1)妄想に線引きをする、2)確証バイアスに注意する、3)自分で問題をひろげない、4)失敗は素直に認める、5)失敗を想定しておく、6)自分の価値と紐づけない、7)雑念を相殺する、の7つだ。
妄想には線引きをしたい。
妄想をしたければ、いくらでもすればいい。落ち込みやすい人は想像力が豊かなので、いろいろな妄想をすることができる。そのこと自体は悪ではない。むしろ上手く利用すれば<善>になるだろう。
だが、線引きだけはきっちり行う。
失敗については、素直に認め自分の価値と結びつけない。
結びつけたときは、自分の価値は変わる、これから価値を上げていくんだとすればいい。(努力次第で)いくらでも自分の価値を上げることはできるのだから、前向きに考えておけばいいだろう。
ネガティブな雑念は、逆位相の雑念を用いて打ち消してやればいい。
今回の記事:「落ち込まない人になる方法」