人前に出ると過度に緊張する人がいる。
そんな人は、近々人前で話す機会がある、というだけで憂鬱になる。
このタイプの人は、何を考えているのだろうか…。このタイプの人には(負の方向への)認知の歪みがあるので、それを正してやれば、過度の緊張を適度な緊張に変換することができるだろう。
本記事は、人前で緊張する人はこう考える、というテーマで書いてみたい。
人前で緊張する人は
緊張が怖い・嫌だ
人前で過度に緊張する人は、緊張することが怖くて嫌なことだ…と思う。
過度の緊張により、自分のパフォーマンスが著しく落ちることを知っている。
※もっといえば、恥をかくことも知っている。
これまでに何度も過度の緊張で失敗したことがある、人に変な目で見られたこともある…という負の経験から、緊張すること自体が怖い。ゆえに、できるだけそういうシーンを避けようとする。
※人前でのスピーチ(結婚式のスピーチなど)は、絶対に引き受けたくない。
緊張を隠したい
このタイプの人は、自分の緊張を人に悟られたくない…と思う。
過度に緊張してあわあわすることが醜態であり、その姿を晒すことが恥ずかしい…と思う。
だが、緊張することを隠そうとすればするほど、深みにはまる、緊張の負のスパイラルに落ちていくということがある。嘘に嘘を重ねると、どんどん収拾がつかなくなるということに似ている。
※緊張する自分を受け入れて、「緊張とどう付き合うのがいいのか…」と考えた方がいい。
隠そう隠そうとするほど、不自然になるよ。
緊張してはいけない
人前で過度に緊張する人は、緊張してはいけない…と考える。
その緊張が呼び水になって、過度の緊張を引き起こす。これはやばい…と思う。
そして、何とか緊張を抑えつけようとして心理的に格闘するが、勝ち目の薄い格闘になる。以前にも書いたが、梅干しのことを考えるな!としても、逆に梅干しのことを考え唾液が出てしまう。
緊張してはいけない、緊張を力ずくで抑え込もう…としても、うまくいかないのだ。
『太陽と北風』の北風作戦では上手くいかないよ。
自分は普通じゃない
自分はとても普通じゃない、異常に緊張する性質である…と思っている。
普通の人でも、人前に立つと緊張することは知っている。だが、自分の場合は異常だと思う。
過度に緊張する人は、事象に対する感度が高くネガティブな人なので、たとえ自分の緊張の度合いが正常な範囲であっても、自分は異常に緊張する、自分は普通ではなく異常だ…と思いやすい。
※仮に社交不安障害であっても、異常な人間だということにはならない。
震えることぐらいは、ごく普通のことだよ。社会的な地位があって立派な人が、緊張で手を震わす…なんてことは、普通にあるんだ。
話すことが恥ずかしい
人前で過度に緊張する人は、話すことが恥ずかしい…と思う。
自分が話をして場が白けてしまったらどうしよう、誰も反応しなかったらどうしよう…という怖れがある。さらに、無視されると嫌だ・傷つくとか、緊張しながら話すことが恥ずかしいと思う。
単に、話すことで注目を集めることが恥ずかしい…と思うこともある。
この「恥ずかしい」と思う気持ちは、自意識からくるものだよ。
~をさせられる
人前で過度に緊張する人は、人に~をさせられると思う。
意に反してプレゼンやスピーチをさせられる・強いられる…と思うのだ。
緊張する人のネガティブな認知の仕方がそうさせる。スピーチなどは、短時間で自分の評価を引き上げることのできる有効な手段だ。ポジティブに考えれば、大きなチャンスである、といえる。
※自分の評価を落とす機会でもあるが、こういうときはポジティブに考えた方がいい。
チャンスにはリスクもある。でも、ポジティブに考えた方が、結果がよくなる可能性が増すよ。
人と比べてダメだ…
このタイプの人は、人と比べて自分はダメだ…と思い自尊心を傷つける。
自分は「人と比べてダメだ」と思うが、実は自分が思うほどダメなわけではない。
自分では恐ろしく緊張してプレゼンしたつもりが、他人が見ると普通のプレゼンに見える。自分は自分の内面の変化(発汗や心拍数の上昇など)が細かくわかるが、他人はよくわからないのだ。
ゆえに、過度に緊張する人は「人と比べてダメだ」と、思いすぎてしまうところがある。
人に指摘されないと気が付かないけれど、認知の歪みがあるってことだよ。
早く終わらせたい
このタイプの人は、とにかく早く終わらせたいと思う。
自己紹介でもスピーチでも、早く終わらせて楽になりたい…と思う。
緊張を伴う会話でも、自分の話を短くしたいと思う。自己紹介のとき、ぱぱっと早口で話しさっと座ってしまう人がいるが、緊張しやすい人だ。苦手な時間は短くしようとする意図がある。
※人に自分が注目される時間をできるだけ短くしたい…という気持ちがある。
緊張すると焦るので、早口になってしまう…ということもあるね。
この場から逃げたい
人前で過度に緊張する人は、緊張が高まるシーンから逃げたいと思う。
たとえば、上手く話せなくて恥ずかしい、適切な反応ができず情けない、話すべきシーンで話せなくて自己嫌悪…、相手が自分のことを変に思っているのでいたたまれない、という感じだろう。
怖い・嫌だ、強いられる、恥ずかしい…という気持ちがあいまって、逃げ出したいと思う。
いろいろなプレッシャーを感じることで逃げ出したい、と思うんだよ。
まとめ
本記事は、人前で緊張する人はこう考える、というテーマで書いてみた。
このタイプの人は、1)緊張が怖い・嫌だ、2)緊張を隠したい・悟られたくない、3)緊張してはいけない、4)自分は普通じゃないな、5)話すことが恥ずかしい、6)スピーチなどをさせられる、7)人と比べてダメだ…、8)早く終わらせたい、9)この場から逃げ出したい、などと思う。
これらの認知を変えてやれば、過度の緊張を適度な緊張に変換できそうだ。
たとえば、緊張してはいけないは、「緊張してもいい」とする。
適度の緊張が有益だということはわかっている。それなしでいい結果は残せない。ゆえに、緊張するのはいいことで当たり前だとして、「緊張とどう付き合うのがいいのか」と考えた方がいい。
※緊張はいいことなのだから隠す必要もない。
恥ずかしいという認知は、自意識過剰が生み出すものだ。自分を見る相手のことを過剰に意識するからそうなるのだが、実はそうすることが真に恥ずかしいことだ…と、すり替えてやればいい。
どちらが本当に恥ずかしいことなのか、自分でよく考えてみるといいだろう。
今回の記事:「人前で緊張する人はこう考える」